セレブエリア麻布十番で道路冠水…ゲリラ豪雨の水害リスクは都心の不動産価格にどう影響?
ノロノロしたスピードの台風10号による強く激しい雨風が、各地に甚大な被害をもたらした。昨今頻発する豪雨が、都市機能をマヒさせている。特に目立つのが、海抜0メートル地帯といわれる東京の東側や湾岸エリアよりも、都心部への影響だ。
8月のゲリラ豪雨で麻布十番、市谷といった都心エリアで道路が冠水し、あふれた水が地下鉄の入り口に流れ込む映像が話題に上った。中には、下水から汚水があふれ出し悪臭が漂う中、ずぶぬれになりながら歩みを進める人の姿も。
「麻布十番は都心一等地ですが、六本木などの高台に囲まれた低地のため、豪雨のたびに冠水が起こりやすいことで知られています」(不動産アナリスト・長谷川高氏)
こうした水害リスクは、不動産価格に反映されないのか。
「水害というと、津波や増水、氾濫など海や川の近くがイメージされますが、排水機能を超えた豪雨による冠水、浸水が起こる低地や谷が内陸にもあります。浸水リスクの高いエリアはハザードマップに記載されていますが、不動産価格にはほぼ反映されていないといっていいでしょう」(長谷川高氏)