住友生命 高田幸徳社長(1)人に請われたら、それは一つのチャンスと思っている
高田は1964年大阪府生まれ。高校は名門・北野高校。中学までは、成績がそれなりに秀でた存在であったが、北野高校に入ると、周りが皆、文武にわたり段違いで優秀なため、「自分はここで何ができるのか」と日々悩みながら過ごしていた。
そんな高田がのめりこんだのが、生徒会。もともとは誘われて入ったに過ぎなかったが、ことのほかはまり、体育祭・文化祭実行委員も務めた。
「人に請われたら、それは一つのチャンス、そう思うようになりました。当時の担任の先生から言われた、『面倒なことを頼まれるのは君の一つの人格。他人から求められているのだから、嫌がらずやればいい。そうすれば誰かが必ず見てくれる』との言葉にも励まされました」
その後、京都大学経済学部へ進学するが、ここでも入ったテニスサークルで運営幹事を務める。学内オープン大会の発足など、他サークルとの交流にも熱心に取り組んだ。
一方、学業ではフィリップ・コトラーの「マーケティング・マネジメント」を研究。教授からは大学院進学を勧められたが、高田は「社会でマーケティングスキルを生かしたい」と、関西のメーカーなどへの就職を考えていた。ところが、住友生命に勤務していた一人の従兄が高田の運命を変える。