岸田政権は税金で延命? 原油高×円安で実質賃金プラスに暗雲…「エネルギー補助金」継続論
中東不安が原油価格を押し上げている。
紅海につながるアデン湾で26日、英企業の石油タンカーが親イラン武装組織フーシ派からミサイル攻撃を受けた。27日夜から28日未明にかけては、ヨルダンの駐留米軍基地がイラン支援の武装勢力による無人攻撃を受け、米兵3人が死亡し、30人以上が負傷した。
供給不安が高まり、代表的指標のWTI先物は1バレル=79ドルまで上昇。年初の70ドルから大幅アップだ。
「中東の緊迫に加え、世界的に原油需要は堅調で、春先にかけて、1バレル=100ドルに迫ってもおかしくありません。円安も加わり、日本のエネルギー価格は一段と上昇する恐れがあります」(市場関係者)
先週の金融政策決定会合で日銀の植田総裁は2024年度の物価見通しを下方修正し、「このところの原油価格下落の影響が主因です」と説明していたが、その直後に原油高騰に見舞われた格好だ。原油高はガソリンや電気・ガス代の高騰を招くが、政府の補助金終了が近づいている。
ガソリンは4月末、電気・ガスは5月使用分で打ち切られる。補助金のおかげでガソリンは1リットル=175円程度で抑えられてきたが、打ち切られれば足元では190円。さらなる原油高騰なら、200円を超える。電気・ガスは平均的な家庭で電気代月910円、都市ガス450円程度の負担増になる。