ホテル代高騰でインバウンド向け“二重価格”が急増中…外国人は日本人よりは2~3割高く設定
こうしたなか、訪日外国人観光客向けのホテル料金や商品価格が変化を見せ始めているのである。帝京大学非常勤講師で旅行アナリストの鳥海高太朗氏が説明する。
「平日のビジネスホテルで宿泊代が3万円から4万円ということも珍しくありません。インバウンドで都市部に訪日外国人観光客が集中している結果、サービスや商品に二重価格が生じているんです。歴史的な円安と観光客増加の影響から、外国人向けに日本人観光客より2~3割高い料金設定をしているんですね」
国内では二重価格とはいわないまでも、学生割引、シニア割といった料金格差はあるし、自治体が始めている宿泊税もそのひとつといえる。海外の観光地ではインドのタージマハル(外国人観光客はインド人の約20倍)、エジプトのピラミッド(外国人約1800円、自国民約200円)など二重価格が一般的になっている。
■日本人観光客の減少
ただ、需要に伴うとはいえ宿泊料金の高騰で懸念されるのが日本人観光客の減少だ。北海道の観光地や京都など国内観光地は宿泊代の高騰で観光客の減少が明らかだという。また、ホテルを利用する若者も減っているというのが先の鳥海氏だ。