代表出場回数はなぜ「キャップ」?発祥の地で生まれた背景
ラグビーやサッカーで耳にする「キャップ数」とは、代表戦への出場回数を指す。今大会の開会式にトロフィーを掲げて登場した元ニュージーランド代表のリッチー・マコウ氏の148キャップは超人的な記録だ。なぜキャップなのか? それは代表に選出されるとキャップ(つば付き帽子)をもらえるからである。
英国において、19世紀には上流階級の子女がスポーツに使うキャップがすでに存在した。ラグビー発祥の地「ラグビースクール」での話だが、1839年に国王ウィリアム4世の未亡人であるアデレード妃の御前試合が行われた。当時、白ズボンに白ジャージー姿だった生徒たちは、2チームが識別できるように各寮のカラーで作られたベルベット帽をかぶることになった。その時の絵が残っているが、これがラグビー初のキャップではないかといわれている。
近代スポーツでキャップが使われた記録は、1872年のサッカーのスコットランド―イングランド戦。1886年からは、イングランド代表として出場した全員に記念キャップが贈られるようになる。その習慣が他のスポーツや国外にも広がったようだ。