今度は全柔連のパワハラ隠蔽疑惑 山下会長の無責任な対応
そんな説明が通るのか。
全日本柔道連盟(全柔連)の管理職の元職員が昨年4月、事務局内でコロナの集団感染が発生した経緯を調査していた過程で威圧的な言動を繰り返していた疑いが浮上。そのパワハラ疑惑を承知しながら公表しなかった山下泰裕会長(63)が26日、取材に応じた。
山下会長はコンプライアンス委員会からパワハラ行為については報告があったことは認めたものの、隠蔽については否定。疑惑を公表しなかった点については、問題の元職員は1月に自己都合で退職し、連絡が取れず「パワハラ認定ができなかった」と釈明した。さらに山下会長は、日本オリンピック委員会(JOC)の会長を兼務していたことで忙しく、指摘されるまで「問題そのものに気づかなかった」とも語った。無責任な会長だ。
国士舘大非常勤講師でスポーツライターの津田俊樹氏が言う。
「山下会長はパワハラの事実を報告され、対応を一任されていた。本人と連絡が取れなかったから公表しなかった、というのは隠蔽と同じです。全柔連は2013年、女子選手が暴力指導やパワハラを告発して大問題になった。本来ならすべてを公にし、反省しなければならないのに、やっていることは逆。JOC会長に就任するなり、自ら提案して理事会を非公開にしたときと同じ。組織のトップにふさわしくない」