池江&松山を聖火最終走に祭り上げ!世論スルーの機運醸成

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「あと100日」――。7月23日の東京五輪まで100日の節目となった14日の大新聞テレビは「五輪礼賛」のお祭り騒ぎだった。IOC(国際オリンピック委員会)のコーツ調整委員長も「必ず開催」と断言。IOCやスポンサー、大会組織委員会など“五輪ファミリー”は今後、スター選手を聖火リレーの最終走者に祭り上げることで、機運醸成を図るつもりだ。

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〈心一つに 準備着々〉〈近づく勝負の時〉〈晴れ舞台へ〉――。大会スポンサーに名を連ねる大手新聞は揃ってこんな見出しと選手の写真を掲げ、ド派手に報道してみせた。自らが実施した世論調査では、「中止」「再延期」が過半を占めているにもかかわらず、である。

■平井デジタル担当相も“側面支援”

 さらにロコツだったのは、スポンサーではない地方紙の四国新聞。11日付の紙面で、白血病からの復帰を遂げ、代表が内定した競泳女子・池江璃花子の写真を掲げ、〈池江復活、五輪象徴に 聖火最終点火者の観測も〉と大見出し。池江について〈試練をたくましく乗り越えた姿は、未知のウイルスに翻弄される世界に対する強いメッセージになる〉と報じた。

「四国新聞といえば、平井デジタル担当相の親族がトップ。平井氏自身は大会開催に関わる広告代理店の電通出身です。池江選手のフィーバーに乗っかって、機運醸成に一役買った格好です」(組織委関係者)

「必ず開催する」と言い切ったコーツ調整委員長のみならず、海外の“五輪ファミリー”も前のめりだ。IOCに巨額の放映権料を支払う米放送局NBCも池江フィーバーに便乗。「(聖火リレーの)最終点火者などの大役を担う可能性がある」と報じている。池江を最終ランナーに事実上、名指しした格好だ。

 池江が最終ランナーを務めれば注目度は抜群。2000年のシドニー五輪で、民族融和の象徴としてアボリジニの選手が最終ランナーに選出されたが、現役選手が点火を担うのは異例のことなのだ。

 さらに、池江以外に浮上しているのが、男子ゴルフの4大大会、マスターズ・トーナメントを制した松山英樹だ。

「マスターズを3回制したニック・ファルド(英国)が『松山が最終点火者に選ばれるべき』と発言。松山本人は否定しましたが、関係者から注目を浴びています」(大会関係者)

 だが、開催強行でいいのか。コロナはまだまだ終息からは程遠い状況だ。東京五輪関連の著書がある作家の本間龍氏が言う。 

「国内では第4波が拡大しつつあり、世論も『歓迎ムード』ではありません。開催にこぎ着けたいIOCやNBCとしては、池江選手や松山選手の名前を挙げるくらいしか、機運醸成の手段がないのでしょう。国内メディアも礼賛ばかりで、国民の思いとはかけ離れています。注目されればされるほど、選手本人は複雑な思いを強めるのではないか。キチンと現実を見つめるべきです」

 12日付の米紙ニューヨーク・タイムズは〈一大感染イベント〉と酷評したが、こちらの方がよほど冷静だ。

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