不破聖衣来に22年世界陸上代表の可能性 東日本女子駅伝でも群馬の逆転Vに貢献
2週間前の全日本大学女子駅伝で異次元の走りを見せた不破聖衣来(拓大1年・18)が、この日は逆転優勝の立役者となった。
群馬のアンカーとしてタスキを受けたときはトップの宮城とは38秒差。5キロすぎで首位に立つとそのまま逃げ切り、チームを6大会ぶり4度目の優勝に導いた。
注目度が増したホープは身長154センチ。小柄な彼女の夢は、2024年パリ五輪1万メートルの代表だ。成長著しい18歳なら可能性は大だが、来年7月には米オレゴンで世界選手権(世陸)が行われる。不破はそれには間に合わないのか。
22年世陸女子1万メートルの参加標準記録は31分25秒00。広中璃梨佳、安藤友香、小林成美の3人はすでに参加資格を有している。初の10キロを31分29秒(区間賞)で走った不破が標準記録をクリアするのは時間の問題。元日本陸連強化委員長の澤木啓祐氏が言う。
「記録を30分台に持ってくれば、世陸出場(3人)の可能性は広がる。9月のインカレから走りを見ているが進化が著しい。東京五輪3000メートル障害で日本人初の7位入賞を成し遂げた三浦龍司(順大・19)もそう。素質のある選手は驚くほどの成長力を見せる。小気味よい走りの不破は今回が初めての10キロなのでスタミナが課題。トレーニングは走行距離に依存しないこと。歩幅を狭くして回転速度を上げるピッチ走法ではなく、身長150センチの野口みずき(04年アテネ五輪マラソン金)が行っていたアップダウンでの走り込みと筋力トレーニングを踏襲し、上半身がブレない大きなストライドのまま強化を図るべきです」
東京五輪女子1万メートルでは広中が7位。日本選手では25年ぶりに入賞を果たした。来年の世陸では注目の種目である。