女子長距離界の超新星“フワちゃん”を抱える拓大・五十嵐監督のハンパない重圧
また、やってくれた。
コロナ禍で2年ぶりの開催となった今大会。注目は4区(4キロ)を走った群馬の不破聖衣来(18・拓大1年)だ。22位でタスキを受けると、13人抜きの快走で9位まで順位をあげた。12分29秒の時計はこれまでの区間記録を3秒更新。不破は「前にいる選手をひたすら追い抜いて走りました。記録が出てうれしいです。今年は(7月米国の)世界選手権(以下世陸)に出られるように頑張りたい」と言った。
不破は昨年10月の全日本大学女子駅伝で区間新。11月の東日本女子駅伝も群馬のアンカーで逆転優勝に貢献した。続く富士山女子駅伝でも10人抜きで従来の区間記録を約2分も短縮。12月の競技会1万メートルでは日本歴代2位の30分45秒21をマーク。世陸1万メートルの参加標準記録(31分25秒)は突破しており、5月の日本選手権で3位以内なら代表に内定する。
拓大の五十嵐利治監督によれば、今年の世陸は1万メートルで代表になり、24年パリ五輪はマラソンで出場を目指すという。五十嵐監督は佐倉アスリート倶楽部のコーチ時代、有森裕子、高橋尚子の五輪メダリストを育てた故・小出義雄氏の薫陶を受けた。それが今、「金の卵」を預かっているわけだが、ある陸上関係者は「小出流をマネることはできない」とこう言う。