早大駅伝新監督に花田勝彦氏が就任 低迷名門校に横たわるエリート集団との「格差」
「今は伝統のプレッシャーはあまり感じていません。やるべきことをやれば、結果はついてくると思っています」
2日、早大の競走部の花田勝彦駅伝新監督(50)が都内で就任会見に臨み、決意を述べた。
花田監督は、瀬古利彦氏がヱスビー監督との兼任で早大コーチを務めていた1993年箱根駅伝で4区を走り、区間賞を獲得、総合優勝に貢献した。卒業後は瀬古氏を慕ってヱスビーへ入団。96年アトランタ五輪、2000年シドニー五輪でトラック長距離種目に出場。引退後は04~16年まで上武大で監督を務めた後、同年から今年3月までGMOアスリーツを指揮した。
瀬古氏の要望に応じて駅伝の練習を見学した後、大学から監督のオファーを受けたという新指揮官の最大の任務は、名門の復活である。
早大は歴代2位の13回の優勝を誇るも、11年以降、優勝から遠ざかり、今年は総合13位で3年ぶりにシードを逃した。チーム戦略アドバイザーとして残留する相楽豊前監督とともに再建を目指すが、強豪復活への道のりは平坦ではない。
早大は他競技も低迷
早大の低迷は、他大学と比べてエリート高校生の獲得枠が少ないことが一因となっている。三十数人いる部員の中で、スポーツ推薦での入学者は1学年3人程度。部員の大半は付属、系属校、一般入試組で、育てながら勝つという難題を抱えている。
青学大、東洋大、駒大など、箱根駅伝上位の常連校は全国トップクラスの“特待生”が1学年10人程度おり、エリート同士による競争も激しい。この戦力差を埋めるのは一朝一夕ではない。
推薦枠が少なく、戦力差に苦しめられているのは駅伝に限らない。野球は今春リーグ戦で5位、サッカーも今季の関東大学リーグ戦で0勝4敗3分けの最下位だ。
昨夏の東京五輪ではレスリング部の須崎優衣が女子50キロ級で金メダルを獲得、ラグビーが20年の大学選手権で11年ぶりの優勝を果たしたものの、早大スポーツは現状、他大学の後塵を拝している。
大学、社会人で実績を積み重ねた花田監督のお手並み拝見だ。