阪神・青柳スーパーエースへの条件 夏が苦手な投手は沢村賞選考委員に嫌われる
これが今年だけだったら、それもまた、たまにはそういう年もあるだろうで片付くのだが、青柳の場合、ここも2年連続だからちょっと不安になってしまう。思えば昨年の青柳もオールスター前まではリーグトップの防御率1.79を誇り、同2位タイの8勝をマークしていたのだが、その後に東京五輪に出場し、慣れないリリーフ起用もあってか、登板した2試合とも失点してから少し調子がおかしくなっていた。
五輪後は先発に復帰したものの、前半戦のような絶好調とはいかず、8月24日に10勝目を挙げて以降は1カ月以上も白星から遠ざかった。その間、5試合に先発して0勝3敗で、QSはわずかに1試合だけだった。
昨年の夏に不調に陥っただけなら東京五輪というイレギュラーな行事の影響という見方もできるが、今年の夏も2年連続で不調になるということは、これはもう単純に青柳が過酷な夏を苦手としている投手ということになるのではないか。もちろん、猛暑の夏はどんな投手でも体力を消耗しやすく、また、これまでの蓄積疲労の影響も受けやすいだろう。しかし、青柳には真の意味でのスーパーエースになってほしいからこそ、そういう誰もが苦しむ過酷な夏を鬼気迫る快投で乗り越えてほしい。後半戦の勝負どころで難敵相手に圧巻の投球を見せつけるのが、やはりエースというものだ。