岡田新監督は阪神再建に意欲満々だが…「2年契約」が呼ぶ憶測、くすぶる“お家騒動”の火種

公開日: 更新日:

「今年、要請をもらって、年齢的にもそんなに長くできないと思いますけど、最後、タイガースのためにユニホームを着ようかなと」

 16日、阪神岡田彰布新監督(64)が大阪市内のホテルで就任会見。2008年以来の再登板となった新指揮官は、「優勝、優勝っていうのはあれですけど、17年間もやってない。でも可能性のあるチーム。まずは現有戦力を少しずつレベルアップしないといけない。優勝しますとかよう言わないですけど、シーズンが終わるころには楽しみにしてもらったら」と、いつもの独特な言い回しでチーム再建に強い意欲を示した。

■「ずっと守りの野球

 今季は3位になったものの、68勝71敗4分けの借金3。チーム防御率はリーグトップの2.67を誇る一方で、チーム打率.243、489得点はともに同5位。チーム86失策は5年連続でリーグワーストと、課題はハッキリしている。

 岡田新監督は「ずっと強かったんですよね。戦力的には。投手も若い投手が出てきて非常にバランスのいいチーム」としたうえで、攻撃面については「今年は得点ですか。もう少し打ってあげたらというのはあったんですけど、少し変われば全然打てると思う。大山と佐藤が中心になって、不動のポジションでチームを引っ張っていかないと」と指摘。大山、佐藤輝の2人のポジションを固定し、真の中軸打者として育てる意向を示した。

 守備面についても報道陣から「目指す野球は?」と問われると、「ずっと守りの野球」とキッパリ。

「前回(04~08年)の時もそうですけど、投手陣中心というか。エラーもそう」「エラーって数じゃない。アウトにできるボールはアウトにする。そういう基本に立ち返る。いろんなポジションを守らされたというのも加味されるかもしれんけどね」と話し、矢野前監督が多用した守備位置のシャッフルを廃止する考えを明かした。

 名球会会員の評論家・山崎裕之氏は、「投打に若い選手が多く、やり方によっては経験豊富な岡田監督の手腕が発揮できるチームだと思う」と、こう続ける。

「矢野前監督は打順、ポジションを固定できなかったが、岡田新監督は大山と佐藤輝はもちろん、開幕からレギュラーを固め、我慢強く使い続けられるかどうか。30本塁打が期待できる大砲助っ人の補強も必要でしょう。投手は湯浅、浜地ら若い投手が出てきた中で、懸案の抑えを誰にするか。守備も鍛え上げるはず。あとは、岡田監督は64歳で選手との年齢差をどう埋めるか。10年ほど現場から離れていたわけですから、今の若い世代とどうコミュニケーションを図るかも肝要です。とはいえ、チームの総合力は高いですから、岡田監督の堅実な野球がいい方向に出れば、非常に楽しみです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    岡本和真と村上宗隆のメジャー挑戦に“超逆風” 大谷バブルをブチ壊したMLB先輩野手の期待外れ

    岡本和真と村上宗隆のメジャー挑戦に“超逆風” 大谷バブルをブチ壊したMLB先輩野手の期待外れ

  2. 2
    鈴木誠也と吉田正尚が窮地…トレード浮上も引き取り手なし、大谷フィーバーの裏で価値大暴落

    鈴木誠也と吉田正尚が窮地…トレード浮上も引き取り手なし、大谷フィーバーの裏で価値大暴落

  3. 3
    悠仁さま「オックスフォード大進学」再浮上のナゼ…昆虫標本が充実した自然史博物館の存在

    悠仁さま「オックスフォード大進学」再浮上のナゼ…昆虫標本が充実した自然史博物館の存在

  4. 4
    なぜ大谷はチャンスに滅法弱くなったのか? 本人は力み否定も、得点圏での「悪癖」とは

    なぜ大谷はチャンスに滅法弱くなったのか? 本人は力み否定も、得点圏での「悪癖」とは

  5. 5
    ロッテ佐々木朗希「強硬姿勢」から一転…契約合意の全真相 球団があえて泥を被った本当の理由

    ロッテ佐々木朗希「強硬姿勢」から一転…契約合意の全真相 球団があえて泥を被った本当の理由

  1. 6
    猛チャージ石丸伸二候補に広がる危機感…広島からは「あんなぁ都知事に押し上げちゃいけん」

    猛チャージ石丸伸二候補に広がる危機感…広島からは「あんなぁ都知事に押し上げちゃいけん」

  2. 7
    「あぶない刑事」100万人突破で分かった…舘ひろし&柴田恭兵“昭和のスター”の凄みと刑事役の人材不足

    「あぶない刑事」100万人突破で分かった…舘ひろし&柴田恭兵“昭和のスター”の凄みと刑事役の人材不足

  3. 8
    大谷への「アジア人差別感情」は球宴ファン投票にも表れ…問題の根は深く心配な今後

    大谷への「アジア人差別感情」は球宴ファン投票にも表れ…問題の根は深く心配な今後

  4. 9
    阪神岡田監督の焦りを盟友・掛布雅之氏がズバリ指摘…状態上がらぬ佐藤輝、大山、ゲラを呼び戻し

    阪神岡田監督の焦りを盟友・掛布雅之氏がズバリ指摘…状態上がらぬ佐藤輝、大山、ゲラを呼び戻し

  5. 10
    ロッテ佐々木朗希は“身内”からも嫌われた? 故障中とはいえ選手間投票でも球宴選外のトホホ

    ロッテ佐々木朗希は“身内”からも嫌われた? 故障中とはいえ選手間投票でも球宴選外のトホホ