ソフトB悪夢の12連敗生んだ「金満80億円補強」…圧倒的V候補がBクラス転落寸前という惨状
ソフトバンク応援団が陣取る京セラドーム大阪の左翼席には、ファン手製の神棚が設置された。
前日24日は1点リードの九回2死からまさかのサヨナラ負けで12連敗。そこへもってきて、25日のオリックス戦の相手先発がスーパーエース山本由伸とあっては、「必勝祈願」「卑弥呼様」と書かれたお札代わりの紙に手を合わせ、試合中に烏帽子をかぶっておはらい棒を振り回す鷹党の気持ちも理解はできる。
そんなファンの必死の願いが通じたか、三回に内野ゴロの間に1点を先制すると、膠着状態が続いた八回に4番・柳田悠岐のタイムリー二塁打で2点を追加。投げては先発の有原航平が9回を6安打無失点に抑える完封勝利で、ようやく長い長いトンネルを抜けた。
「長かった。呪われているじゃないけど、何をやってもうまくいかない感じだった」とは、試合後の藤本博史監督。「安心はしてないけど、明日からは普通にいけるかな」とホッとした表情だったが、それにしてもだ。
ソフトバンクは2020年に日本シリーズ4連覇を達成。ここ9年間で6度の日本一に輝くなど「王者」の名をほしいままにしてきた。それが、21年に4位Bクラスに沈むと、昨年は優勝したオリックスにゲーム差なしの2位。そのオリックスには、CSファイナルステージでも1勝4敗(アドバンテージを含む)と完敗に終わった。
「そこで、孫正義オーナーの号令の下、球団が空前絶後の大補強に乗り出したわけです。エースの千賀滉大(メッツ)がメジャー移籍したこともあり、7年50億円の近藤健介を筆頭に3年15億円で有原航平、4年3億円で嶺井博希、1年6.5億円でオスナ、同1.6億円でガンケル……他にも同1.8億円でアストゥディーヨ、同6750万円でホーキンスと新外国人2人を加え、総額80億円もの資金をつぎ込み、他球団が狙っていた選手を根こそぎもっていった。
まさに“異次元の補強”で、孫オーナーが『日本一は当然のこと』と言えば、王貞治球団会長は『今年は10ゲームくらい離してゴールするんだ!』と、藤本監督に厳命する気合の入りようだったんですが……」(地元放送局関係者)