全米プロ圧勝のシェフラーにあって久常涼にない「心の忍耐力」…心だって経験しなければ成長しない
一方、この2ホールでバーディーが奪えなかったラームは緊張の糸が切れました。「グリーンマイル」と呼ばれる超難関の上がり3ホールは1ボギー2ダブルボギー。信じられないような崩れ方でした。それにしても、世界で三指に入ると言っても過言ではない難しい3ホールです。
久常に話を戻せば、米ツアー2年目の今季はトップ10入り3回。今大会も2年連続で予選を通り、確実に力をつけていますが、この日の「我慢」は優勝とは無縁の位置だったからとも言えます。
距離が長く、ラフを伸ばし、池絡みでグリーンも硬いメジャーの舞台で、もう一段階上に行くには技術だけでなく、心のレベルアップが求められます。競った時やショットが乱れ出すと、緊張からフェアウエーは狭く感じ、グリーンも小さく見える。その時「我慢」し、何かをきっかけにして反撃へ転じるには、同じような状況の中で「崩れない」という自信をつけるしかない。心だって経験しなければ成長しません。
今回予選落ちした松山英樹は8年前、ここクエイルホロークラブで行われた全米プロの最終日、10番を終えて単独首位に立つも、その後は自滅。試合後に大泣きした25歳はその後、苦しく、悔しい経験を糧にして、4年後マスターズに勝った。
久常はまだ22歳。最終日の「我慢のゴルフ」は、次へのステップになるはずです。