意外な因果関係 “匂い”が分からなくなったら「認知症」を疑え

公開日: 更新日:

「脳の神経変性疾患は早期に嗅覚障害を伴うことが知られていて、代表的なのはアルツハイマー型認知症パーキンソン病です。脳の中で匂いを認知する部分の変性によって嗅覚障害が起こると考えられています」

運動障害が表れる数年前から嗅覚障害が生じることも

 最初は、モノの匂いの識別が障害され、匂いはしてもそれが何かは分からなくなる。やがて神経疾患が進行して嗅覚障害も悪化していく。

 手足のふるえや筋肉がこわばるパーキンソン病では、運動障害が表れる数年前から嗅覚障害が生じる。アルツハイマー型認知症などは、その前段階である軽度認知障害の時点から匂いが分からなくなるという。

「つまり、原因不明の嗅覚障害の中には将来、神経変性疾患を発症するリスクが含まれるということです。むろん、嗅覚障害を合併しない神経変性疾患もありますから、すでに神経変性疾患を発症している患者さんに嗅覚検査を行えば、アルツハイマー型認知症やパーキンソン病などとの鑑別ができます。また、まだ症状が表れていないアルツハイマー型認知症やパーキンソン病だった場合、症状の進行度や認知障害発症の予知につながるというわけです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐々木朗希を徹底解剖する!掛け値なしの評価は? あまり知られていない私生活は?

  2. 2

    江藤拓農水相が石破政権の最初の更迭大臣に?「隅々まで読んだ」はずの食糧法めぐり“逆ギレ誤答弁”連発

  3. 3

    「相棒」芹沢刑事役の山中崇史さんが振り返る俳優人生…地下鉄サリン事件「忘れられない」

  4. 4

    吉幾三(5)「お前のせいで俺と新沼謙治の仕事が減った」

  5. 5

    みのもんたさんが自身のスキャンダルで見せた“類まれな対応力”…明石家さんま、石田純一との共通点

  1. 6

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  2. 7

    大阪・関西万博もう間に合わず? 工事未完を「逆転の発想」で楽しむ方法…識者が皮肉たっぷり提唱

  3. 8

    日本代表FW古橋亨梧の新天地は仏1部レンヌに!それでも森保ジャパン復帰が絶望的なワケ

  4. 9

    維新は予算案賛成で万々歳のはずが…ゴタゴタ続きで崩壊へ秒読み 衆院通過の自民はニンマリ?

  5. 10

    松坂桃李「御上先生」第7話2ケタでV字回復へ 詩森ろばの“考えさせる脚本・演出”はTBS日曜劇場からの挑戦状