風邪薬「お早めに」はむしろ逆効果? 治りが遅れることも
風邪薬のCMなどでよく耳にする「早めの○○」。“早めに薬を飲みましょう”という意味だと思いますが、実際のところ、早く飲むほど効果が高く表れるのでしょうか?
池袋大谷クリニック・大谷義夫院長によれば、むしろ逆効果。治りが遅くなる可能性があるとのことです。
なぜなら風邪の8~9割はウイルスが原因で、風邪のウイルスを殺す薬は存在しないからです。風邪薬に入っているのは、咳(せき)・鼻水を抑える成分や熱を下げる成分。つまり風邪薬を飲んでも、あくまでも対症療法にしかなりません。
それでも症状が治まるのなら、風邪薬を飲むメリットがあるかと思いますが、大谷院長は異を唱えます。
「咳や鼻水が出るのは異物を排出するためであり、高熱が出るのはウイルスと闘うためです。風邪を治すための症状ですから、薬でむやみに抑えるのはおすすめできません」
解熱剤を飲んだ人と飲まなかった人を比べた調査では、前者の方が風邪が完治するまでの期間が0.5日長かったという結果が出ました。さらに大谷院長は、「熱を下げることで、風邪の進行具合がわからなくなるのも問題」と指摘します。