嚥下障害があればサルコペニアのチェックが必要
サルコペニアは、加齢、低活動、低栄養、疾患によって筋肉量が減少し、全身の筋力や身体機能の低下が起こることです。
以前この欄で、嚥下(えんげ)障害のある患者さんには、しばしばサルコペニアがみられるという話をしました。喉にも筋力低下が起こり、「ゴックン」という食物ののみ込みをうまくできなくなるのが原因です。
「サルコペニアによる嚥下障害」はまだあまり知られていません。隠れ脳梗塞や感覚障害などサルコペニア以外の病気が原因だと指摘する医師もいます。
しかし、もしサルコペニアが関係していたら、それを改善しなければ嚥下障害も改善しません。食べられないのですから、サルコペニアも進みやすく、悪循環となります。嚥下障害があれば、サルコペニアのチェックが必要です。
サルコペニアの時にリスクが高まるのは、骨粗しょう症です。サルコペニアと骨粗しょう症は“どっちが先に起こるか”がいえないほど、相互関係にあります。「骨粗しょう症で骨折を起こし、寝たきりになる」とよくいわれます。