孤独<2>離婚・別居は近親者の死より深刻
特に日本の中高年は妻や夫だけが頼り、父母や兄弟姉妹らとの人間関係だけがすべてという人も多いため、より深刻です。これらの理由は現役世代の自殺の原因ともよく一致しています。最近では「子供の独立」に伴う、母親の「空の巣症候群」(一種のうつ状態)が注目されています。また「近親者の死」の中にはペットロスを加えてもいいでしょう。
仕事に関係するものでは、「解雇・失業」のストレスが最大、「退職」もほとんど同じ強度になっています。
中高年男性には、職場や仕事上の人間関係がすべてという人が少なくありません。仕事を失うことで孤独感を強める人は大勢いるはずです。「職責上の変化」には出世もありますが、降格も入ります。例えば、50歳を過ぎて、それまで部長だった人が、部下なしの担当部長に異動になると、途端に社内で孤立してしまうことがあります。誰も飲みに誘ってくれず、自分から誘っても断られれば、孤独感が一層募ります。
「生活環境の変化」や「住所変更」なども、人によっては孤独感の原因になり得ます。単身赴任が長かった人などは要注意。家に戻っても居場所がなく、昼間からパチンコ店に入り浸りでは、寂しいばかりの余生です。
以上のいずれかに心当たりのある人、またその恐れのある人は、すぐに孤独対策を考えた方がいいでしょう。