嚥下障害や歩行障害の原因は薬の多剤併用にある
それらの薬剤を服用すると、人によっては嚥下(えんげ)障害や歩行障害を起こしてしまうのです。その患者さんには、まさにパーキンソン病に似た状態のために嚥下障害と歩行障害がありました。主治医と相談の上、3種類の薬の服用をやめてもらうと、嚥下障害と歩行障害が改善しました。
また別の統合失調症の患者さんは、薬の副作用で四肢にムズムズする異常知覚を覚え、リハビリがうまくいっていませんでした。こちらもリハビリのスタッフが気づき、薬を変更することで機能や活動が改善しました。
薬剤師は薬だけを、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士はリハビリだけをチェックしがちです。しかし特に多剤併用の場合には、薬がリハビリを滞らせ、低栄養を招いている可能性が十分にあります。
多職種で相互協力のもとに薬剤管理とリハビリを同時に行うのが理想的です。このようなリハビリ薬剤の考え方を広めたいと思っています。(おわり)