がん難民コーディネーターに聞く うろたえないための知識
■「決して諦めないこと」
まさに情報戦だ。中でも病院・医師選びは結果を大きく左右する。私たちはつい、名前の知れた病院がベストの病院と考えがち。しかし「全てのがんの治療に優れている病院はない」と藤野氏は指摘。前立腺がんの治療は優れていても、肝臓がんもそうとは限らない。
「病院間の格差は大きい。優秀な医師が異動や転院になれば、病院のレベルが変わることもある」
病院・医師選びで一つの確実な基準になるのが、自分のがんの治療例や手術例の数だ。
国立がん研究センターの全国188の病院に関する発表(17年)では、肺がんの手術例の多い病院では5年生存率が70%近くだが、少ない病院では2・3%。肝臓がんでも手術例の多い病院の5年生存率は70%超、少ない病院は15・8%だった。年齢、進行度を考慮していない数値とはいえ、治療例や手術例の多い・少ないは治療成績に大きく関係すると考えるべきだ。
これらの情報は各病院のホームページなどから得られる。インターネット上の情報は玉石混交だが、信頼できるサイトとして、国立がん研究センターや公益財団法人がん研究会などが発信しているものが挙げられる。