急に立ち上がったらバッタリ…夏の低血圧はこんなに怖い
たとえば、慢性的な低血圧をうつ病と間違えて抗うつ剤を処方されると、薬の副作用で血圧が下がり、症状が悪化。さらに強めの抗うつ剤が処方される悪循環に陥る。
低血圧では血液が血管内に滞留する。すると血液中に含まれる老廃物が血管を取り囲む神経を刺激し、発痛物質を生成。頭痛や腰痛、線維筋痛症などの症状が出やすくなる。さらには、生活習慣病のある人は脳梗塞や心筋梗塞、心不全になりやすいという。認知症や意識障害などの脳症状が出ることもある。
■夏の血圧は冬に比べて5~10mmHg以上下がる
そんなに怖い低血圧はなぜ夏場に多いのか?
そもそも血圧は心臓がポンプとして1回の拍動で送り出す血液量と末梢血管抵抗の積で決まる。低血圧の原因は心臓が送り出す血液の量が少ないか、ポンプが動く回数が少ないか、その両方か、あるいは末梢血管の抵抗性が低いのか、などだ。
「夏は体温を下げるため皮膚下の末梢血管を拡大して血液量を増やし、それを材料にして汗をつくります。そのため、脱水傾向も重なり、血液量・血流が減り、心臓が動脈に送り出す心拍出量も減る。夏の血圧は冬に比べて5~10㎜Hg以上も下がるのです」