450人以上の死に寄り添ってきた訪問診療医“自らの死に方”
無駄に死を恐れない。そんな死生観も読み取れる。「生かす医療」と「死なせる医療」という正反対に見える2つの医療のはざまで最適解を求め続けてきた小堀さんだからこそ、冷静に見つめることができるのだろう。
「その人らしく死ねるように支援するのは簡単ではありません。訪問診療医は、汚物にまみれたり、行政と戦ったり、神父のように死について語ったりすることもあります。高齢化が進み多死社会に突入すれば、現場で人手が足りなくなって“負け戦”を強いられるかもしれません。それでも私は生きている限り、訪問診療を続けていくつもりです」
小堀さんの訪問診療の記録は、ドキュメンタリー映画「人生をしまう時間」(NHKエンタープライズ)でも描かれている。=おわり
(取材・文=稲川美穂子)