コロナ禍の影響は?減った「溺死」と増えた「老衰」
以上は減った死因だが、もちろん増えた死因もある。もっとも増えたのが「老衰」だ。高齢で、とくにこれといった病気もないまま亡くなると老衰と判定される。昨年1~4月期の死亡数は4万1008人だったが、今年は4万3905人になった。2897人の増加である。
とはいえ、これは単なる自然増だ。ここ数年間で見ると2700~2800人/年のペースで増え続けており、今年だけ際立って増加したわけではない。
がんの死亡数も増えた。昨年と比較して1108人の増加である。コロナ禍が始まった当初から、がん患者の治療が遅れて死亡が増えると懸念されていたので、それが現実になったのかもしれない。
だが、がん死亡数は次のよう推移しており、この程度の増加は、むしろ「例年並み」と言ったほうがよさそうだ。
●2015年 12万1669人
●16年 12万2988人(プラス1319人)
●17年 12万2504人(マイナス484人)
●18年 12万3055人(プラス551人)