コロナ禍でさらに危ない 「秋バテ」撃退する2つのポイント
気候の変化の影響を小さくするには、カーディガンや薄手のジャケットといった上着を持ち歩き、気温や室温の変化に合わせてこまめに着脱するなどの対応を心がけるのがおすすめだ。
■セロトニンが大切
さらに今年の秋バテは、日照時間の短縮がより深刻な問題を引き起こしかねないという。
われわれは日光を浴びることで神経伝達物質の「セロトニン」を生成している。セロトニンは、気分を明るくしたり、ヤル気を高めるなどの作用があるうえ、夜になるとセロトニンをもとに睡眠ホルモンの「メラトニン」が作られる。秋になって日照時間が短くなると、セロトニン分泌の調整が乱れて量が減ってしまい、気分が落ち込んだり、眠れなくなるといった症状が表れる。いわゆる「季節性うつ」と呼ばれる状態だ。
このセロトニンが秋バテにも大きく関係している。
「セロトニンには自律神経の働きを安定させるという役割もあります。日照時間が短くなる秋になって日光を浴びる時間が少なくなるとセロトニンの分泌が減り、自律神経が乱れてしまうのです。オーストラリアの研究では、日照時間が少なくなるとセロトニンの利用率が低下するという報告があります。また、昼間に日光を浴び続けると、セロトニンの利用率がアップすることもわかっています。これは一日の中でも同様で、たとえば雨が降って日光を浴びる時間が減ると、セロトニンの利用率が下がります。セロトニンがきちんと利用できなくなれば、自律神経に負担がかかり、秋バテを招くのです」