「ワンデー」のコンタクトを1週間使用 問題ないですか?
救急外来で眼科に訪れる患者さんの5~10%がコンタクトレンズによるトラブルといわれています。うち3割は重篤で入院が必要な状態です。実際、最近2人の重篤な患者さんの治療をしていますが、いずれも「2ウイーク」を1カ月使ったことが原因で、アカントアメーバ感染症を起こし、目は白く濁り失明寸前でした。
アカントアメーバは水道水やプールなどに生息し、コンタクトレンズを介して角膜に感染症を起こします。コンタクトレンズ合併症の中で、最も病状が重い感染症です。
コンタクトレンズを装着したままプールに入っていたり、水道水で洗浄している人は要注意です。さらに、増殖しやすいのが、コンタクトレンズの洗浄液のケース内です。同じ液体を数日使い回している人は多いので気をつけましょう。
症状としては、目が痛くなったり、白目の充血、目の中に膿ができたり、目やにも出てきます。コンタクトレンズを外しても痛みは引かずに視界はぼんやりしますが、これは炎症によって角膜の透明性が低下しているためです。
治療としては、まずは擦過によるアメーバの除去。角膜に浮いてきたアメーバをヘラですくいます。次に、抗真菌薬の投与と、PHMB(カルキ)を0・02%に薄めた液体の点眼になります。1人の患者さんは視力は落ちたものの、これらの治療で退院しました。しかし、もう1人はアメーバを取り除くことができず、合計3回の角膜移植をしています。この方の場合は、「2ウイークのレンズを装着し続けた」というものでした。乾いたらレンズに唾を付けて再装着を繰り返していたそうです。