脳<下>ランセット誌に掲載 認知症を回避する9つのポイント
スウェーデンの75歳以上の1203人を3年間追跡した研究では、家族や友人が多く社会的接触が多い人に比べ、接触が少ない人は認知症の発症率が約8倍になるという結果が出ているという。このようなことからも定年後も「できるだけ仕事を持つ」、リタイアしたとしても「同窓会に出席する」「趣味の集まりに参加する」「近所の人が集まる喫茶店に顔を出す」「ボランティアに参加する」などをした方がいい。
「国内で約1000人を対象に行われた共同研究の結果では、認知症予防には『1日約3300歩以上の運動』『適度な会話』『睡眠』が有効という報告がありました。会話は、1日に1時間20分から5時間21分が効果的といいます。それ以上になると1日の運動量が減る傾向があるからです。コロナ禍で他人と会話しにくい状況ですが、マスクを着けて毎日最低1時間は誰かと話をするようにしましょう」
運動も認知症予防になる。中でもハッキリ効果が報告されているのは、ウオーキング、水泳、エアロビクスなどの「有酸素運動」だ。高齢者を5年間追跡調査した海外の研究では、歩行よりも強い有酸素運動を週3日以上行っていた人たちは、そうでない人たちに比べて認知症を発症するリスクが、有意に低いことが報告されている。