気道<上>専門医が教える いびきを解消する5つの就寝前舌トレ
「いびき」は睡眠時に呼吸する際、「気道」が狭まった箇所を空気が通過するときに生じる摩擦音で、条件がそろえば誰にでも発生する可能性がある。自分ではなかなか自覚しにくいので、家族から指摘されて「自分はいびきをかくのか」と漠然と認識している人も多いはずだ。しかし、いびきがやっかいなのは周囲に迷惑をかけるだけでなく、放置していると「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」を引き起こす恐れがあるからだ。
SASは睡眠中に一定時間(医学的には10秒以上)呼吸が止まったり、いびきをかいているときの低呼吸の状態を何度も繰り返す病気。睡眠が障害され、夜間の頻尿、日中の強い眠気、起床時の頭痛などの症状が出る。
ただそれだけでなく、持病も悪化させる。日本睡眠学会専門医で「RESM新横浜/睡眠・呼吸メディカルケアクリニック」(横浜市)の白濱龍太郎院長が言う。
「SASは循環器系の疾患をもたらすのも特徴のひとつで、症状が進むと血圧の上昇や、心房細動などの不整脈を起こす確率を高めます。動脈硬化も進行させて、狭心症や心筋梗塞といった心臓病の発症を引き起こします。さらに、糖尿病などの代謝系の疾患のリスクが増加するという研究結果も発表されています」