脳<上>萎縮を遅らせる7つの習慣とワーキングメモリー訓練法
前頭葉にある「前頭極」と呼ばれる「10野」の働きも重要になる。ここは、さまざまな情報から総合的に物事を理解し、問題を解決する時や創造的なことをする時に使われる、人間だけにある領域。前頭極を鍛えることこそが、いつまでも人間らしく知的に活動するポイントになる。そして前頭極を働かせ、複雑なことをいろいろ考えて判断・実行するためには、ワーキングメモリーが必ず働いているのだ。
「それが前頭極とワーキングメモリーの萎縮が進むと、いま目の前にあることしか考えられず、計画的に物事を進めたり、先を予測して行動したり、状況に合わせて正確な判断をしたりすることが困難になってしまう。それがいわゆる加齢による脳の老化現象です」
日常生活でワーキングメモリーと前頭極を鍛えるためには、「ブランチング課題」(複数のことを同時に行う作業)を生活の中に取り入れること。たとえば次のようなことを心がけるといいという。
【「時間」でスケジュール管理をする】
とにかく予定を立てて、それに沿って行動する。大まかでも前日までに「何時に何をやるか」を決めておく。そのことを一時的に記憶するためにワーキングメモリーを使い、頭の中で順序立てて処理するために前頭極を働かせることになる。