ベートーベンの難聴の原因 昔は先天梅毒説が有力だったが…
梅毒はベートーベンが生まれた当時、今では考えられないほど多くの患者がいたため、先天梅毒は珍しい病気ではなかったと考えられます。ですから、ありそうな話にも思えます。もしベートーベンがそうならば、晩期先天梅毒ということになるのでしょう。ただそれが本当なら、まだ治療薬のない時代に57歳まで生きられたかどうか疑問です。
ちなみに、先天梅毒は妊婦検診が行われている今の日本には存在しないと思われるかもしれません。しかし、残念ながら2016年には15例、2017年には9例が報告されています。2017年までに協力を得られた13事例の分析によると、母親の国籍は12名が日本で不明が1名。年齢は18~40歳。最終学歴は大学・大学院卒1名、高卒7名。8名が既婚、5名が未婚でした。性産業に従事した経験のある人は4名、生活受給歴がある人は2名でした。妊婦検診無受診3名、不定期受診3名、定期受診7名だったということです。
梅毒に限らず性感染症全体に言えることですが、性感染症に対する無知や経済的困窮が感染拡大につながり、それは子供たちにも影響します。性感染症で人生につまづきたくなければ、そのことを常に考えて行動することが大切です。