葉山惟大
著者のコラム一覧
葉山惟大日本大学医学部付属板橋病院皮膚科病棟医長/皮膚科専門医

花粉食物アレルギー症候群 花粉症患者の10~40%が該当

公開日: 更新日:

 他にも、よもぎアレルギーから、ニンジンのアレルギー症状を発症したケースがありました。

 この方は、通勤途中に気を失って倒れたのですが、その原因を探したところ、朝食に飲んだ野菜ジュースに入っていたニンジンによるアナフィラキシーショックと判明しました。本人も自覚しないまま、知らずに口にしたものでショック反応を起こし、気を失ってしまったのです。

 ブタクサアレルギーの方には、メロン、スイカ、きゅうり、ズッキーニなどウリ科の食物にアレルギー反応を起こす方もいます。

■果物を食べて喉がイガイガする人は要注意

 いずれの食物アレルギーにおいても、対処法としては避けるのが一番です。まだそれほど多くはありませんが、アレルゲンのもととなる成分を体に取り入れてもらう減感作療法という治療法があります。現在はスギ花粉症やダニアレルギーのみ。今後、この治療法の開発が進んでいけば食物アレルギーを治せる時代が来るかもしれません。


 抗ヒスタミン薬の内服で多少症状が緩和できる可能性がありますが対症療法であり治癒させる治療ではありません。予防法も研究がされているものの、まだいいものがないのが現状です。食物アレルギーの克服にはまだ時間がかかりそうです。

 良い治療法がないとはいえ自分のアレルギーを把握していないと何かの拍子にアレルギーを起こす食べ物を食べてしまいアナフィラキシーを起こすかもしれません。果物を食べて喉がイガイガするようでしたら、ぜひ皮膚科またはアレルギー科を受診してください。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    岡本和真と村上宗隆のメジャー挑戦に“超逆風” 大谷バブルをブチ壊したMLB先輩野手の期待外れ

    岡本和真と村上宗隆のメジャー挑戦に“超逆風” 大谷バブルをブチ壊したMLB先輩野手の期待外れ

  2. 2
    ロッテ佐々木朗希「強硬姿勢」から一転…契約合意の全真相 球団があえて泥を被った本当の理由

    ロッテ佐々木朗希「強硬姿勢」から一転…契約合意の全真相 球団があえて泥を被った本当の理由

  3. 3
    佐々木朗希の今季終了後の「メジャー挑戦」に現実味…海を渡る条件、ロッテ側のスタンスは

    佐々木朗希の今季終了後の「メジャー挑戦」に現実味…海を渡る条件、ロッテ側のスタンスは

  4. 4
    ドトールに注がれる「石丸効果」都知事選でヒモ付き隠さず3番手から猛追、株価も爆上がり

    ドトールに注がれる「石丸効果」都知事選でヒモ付き隠さず3番手から猛追、株価も爆上がり

  5. 5
    「あぶない刑事」100万人突破で分かった…舘ひろし&柴田恭兵“昭和のスター”の凄みと刑事役の人材不足

    「あぶない刑事」100万人突破で分かった…舘ひろし&柴田恭兵“昭和のスター”の凄みと刑事役の人材不足

  1. 6
    ソフトB山川穂高「無神経ぶり」改めて露呈…31試合ぶり本塁打も身内から異論噴出

    ソフトB山川穂高「無神経ぶり」改めて露呈…31試合ぶり本塁打も身内から異論噴出

  2. 7
    石丸伸二候補に大逆風…「恫喝」訴訟で2連敗、都知事選後の国政進出シナリオも狂いが

    石丸伸二候補に大逆風…「恫喝」訴訟で2連敗、都知事選後の国政進出シナリオも狂いが

  3. 8
    蓮舫候補に一発逆転の「神風」は吹くのか…7.7都知事選「一歩リード」の小池知事を猛追

    蓮舫候補に一発逆転の「神風」は吹くのか…7.7都知事選「一歩リード」の小池知事を猛追

  4. 9
    都知事選最終盤に飛び交う「蓮舫狙い撃ち」の怪情報…永田町に出回る“石丸2位”データの真の狙い

    都知事選最終盤に飛び交う「蓮舫狙い撃ち」の怪情報…永田町に出回る“石丸2位”データの真の狙い

  5. 10
    猛チャージ石丸伸二候補に広がる危機感…広島からは「あんなぁ都知事に押し上げちゃいけん」

    猛チャージ石丸伸二候補に広がる危機感…広島からは「あんなぁ都知事に押し上げちゃいけん」