著者のコラム一覧
葉山惟大日本大学医学部付属板橋病院皮膚科病棟医長/皮膚科専門医

「接触皮膚炎」愛用している身近なものが発症に関係していることも

公開日: 更新日:

 接触皮膚炎は文字通り、なんらかの物質が皮膚に接触することで生じる炎症です。湿疹、赤み、かぶれ、水膨れ、かゆみなどの症状を伴います。

 接触皮膚炎はさらに、皮膚のバリアー機能の破壊が原因の「刺激性接触皮膚炎」と、アレルギー反応の「アレルギー性接触皮膚炎」の2つに分けられます。

 どちらの皮膚炎も、身近なものが発症に関係しています。たとえばハンドクリームや化粧品、ヘアカラー、湿布、除菌せっけん、時計、ジーンズの染料など。中でも、コロナの影響で急増しているのがアルコール消毒による手湿疹です。アルコール自体による刺激性接触皮膚炎だけでなく、添加物によるアレルギー性接触皮膚炎も考えられます。

 みなさんの周囲にもアルコール消毒液を一日に何度も手指に振りかけている人がいませんか? コロナ対策としては有効かもしれませんが、皮膚にとってはダメージになる可能性があります。というのも、アルコールには除菌の働きがある一方で、頻繁に使うと皮脂のバリアーを壊してしまうからです。

 皮脂は、私たちの皮膚を外敵から守ってくれています。皮脂のバリアーが壊れてしまうと、その機能が落ちてしまいます。さらに、せっけんで手指をよく洗うことで、一層皮脂が落ち、皮膚のガードが弱まってしまう。せっけんやアルコール剤に含まれる成分の刺激も加わり、湿疹ができたり、乾燥肌になったり、亀裂が生じてしまうのです。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」