感染再拡大のいまこそ日本人は「ファクターX」を取り戻せ
そう考えれば、いま私たちがやるべき感染対策はハッキリしている。ワクチンの有無にかかわらず飛沫の交換が起こらないように人と人との距離を空けるか、マスクは不織布のものを装着し、マスクの表面は触らない。食事の直前に手洗いをする、換気も空気が滞りやすい場所をしっかり考え、換気と排気の対策を練る。
「これらをひとつだけでなくすべてしっかりやる。そうすれば感染リスクは確実に下げられるはずです」
しかし、これらの対策はこれまでも行ってきた。それでも感染拡大している。無駄ではないのか?
「私はそうは思いません。2月上旬、日本とフランスの1日当たりの新規感染者数はそれぞれ9.6万人と30万人です。一方、人口は日本の1億2686万人に対してフランスは6513万人ですから、人口比でみれば日本の新規感染者数は60万人近くであってもおかしくない。そうならないのは肥満になりにくいなどの遺伝的要因があるうえに、キレイ好きで真面目な国民性だからです。しかし、それが大きく揺らいだ結果が感染爆発につながった。日本人が新型コロナに強い特別な存在だとしたら、その原因となるファクターXとは日本人のそうした生活習慣や気質です。私はいま一度それを取り戻すべきだと思うのです」