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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

ビタミンDでがん死亡率12%減 夏は10分散歩で十分量を合成できる

公開日: 更新日:

 5月も半ばになり、日差しが強くなってきました。日光に含まれる紫外線を利用して皮膚でつくられるのがビタミンDで、そのビタミンDをめぐって興味深い研究結果が発表されました。

 東京慈恵医大の研究チームは独がん研究センターや米ハーバード大、フィンランド、豪州などと共同で10万人のデータを解析。ビタミンDサプリメントの連日内服でがんの種類に関係なくがん死亡率が12%減少したというものです。

 国立がん研究センターは全国の約14万人を追跡して健康調査を行う「多目的コホート研究」の中で、すでにビタミンDとがんの関係についても調べています。ビタミンDの血中濃度によって低いグループから高いグループに4つに分けて、がんの発症リスクを分析。最も低いグループを基準とすると、2番目に低いグループは発症リスクが19%、2番目に高いグループは同25%、最も高いグループは同22%低下していました。

 国立がん研究センターは約3万4000人を16年にわたって追跡した調査結果です。信頼性が高く、がん予防でビタミンDの有効性を支持する結果といえます。しかし、サプリについては、どうでしょうか。

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