糖尿病の人の口の中…乾きやすく細菌、カビ、舌苔が繁殖しやすい
「歯周病は歯の周囲の汚れであるプラークの中に含まれる細菌の毒素などが原因で歯肉に炎症が起きて、歯を支える歯槽骨が溶けていく病気です。初期の段階ではわかりませんが、朝起きた時に、口の中がねばねばする、歯磨きの時に出血する、歯肉が下がって歯と歯の間の隙間が広くなったり歯が伸びたように感じる、歯がグラグラする、などの自覚症状が出た時はかなり病状が進行した状態です」
歯周病を放っておくと、歯を失うだけでなく、心臓や脳の血管を詰まらせ、心筋梗塞や脳梗塞を発症するリスクが3倍程度も高まることがわかっていて、喫煙以上の健康被害がある。
なぜ、糖尿病の人は歯周病になりやすいのか? その理由は大きく3つあるという。
「1つは、高血糖による脱水作用で口腔内が乾きドライマウスとなり、唾液の自浄作用が低下するために、歯肉に炎症が起きやすくなることが理由として挙げられます。2つ目は、高血糖により白血球の機能が低下して、歯周病の原因であるプラークの菌に対しての抵抗力が低下して健康な人に比べてより有害なプラークができやすく、歯周病が発症しやすくなることです。3つ目は、血液中の過剰なブドウ糖がタンパク質と結びついて作られる最終糖化産物が歯周の重要な組織であるⅠ型コラーゲンやラミニンなどを変化させることなどが指摘されています」