清水俊彦
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清水俊彦東京女子医大脳神経外科客員教授

東京女子医大脳神経外科客員教授。「汐留シティセンターセントラルクリニック」の頭痛外来には全国から患者が訪れる。

頭痛を感じたら甘いモノを口へ…ただしチョコレートはNG

公開日: 更新日:

 3月13日から「マスクの着用は個人の判断が基本」となりました。気温が上がり始めたここにきて、マスクなしで歩く人をよく見かけるようになったと感じています。

 コロナ禍となりマスク生活になってから、患者さんからよく言われるようになったのが「最近、以前より頭痛が頻繁に起きるようになりました」。実は、マスクと頭痛って関連しているんですね。コロナ禍になってからというもの、片頭痛の患者さんが増加しています。

 マスクが原因で起きる頭痛を私は「マスク頭痛」と呼んでいます。では、なぜマスクをつけていると頭痛が起きやすいのか。それは、血液中の二酸化炭素濃度が上昇することが原因です。

 コロナ禍で推奨された不織布マスクは通気性が悪い。もちろん、だからこそ飛沫抑制効果があるのですが……。ピタッとフィットしたマスクの中で呼吸をすると、自分の吐いた息がマスクの中にとどまる。人が吐いた息、「呼気」には二酸化炭素が含まれており、マスク内で呼吸を繰り返すことでそれを吸ってしまうことになるんです。

 呼気に含まれる二酸化炭素は非常に強い脳血管拡張因子ですから、マスク内の呼気を吸うことで脳の血管が拡張する。また、マスクをしていると酸素濃度が下がるので、それも脳の血管が広がる原因となります。脳の血管の拡張が、痛みを伝達する役割をする脳血管周囲の三叉神経を刺激し、頭痛を引き起こす。これは片頭痛が発生するメカニズムと似ています。

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