認知症予防に運動は有効なのか? 気を付けるべきポイント
認知症を予防するためにも、まずは1日15~30分のウオーキングから始めるといいでしょう。ただし夏~秋の時期は気温が高く熱中症になりやすい。とりわけ高齢になると感覚機能の衰えによって喉の渇きを感じづらいので運動時は必ず経口補水液を持参するか、始める前に1本飲んでから運動してください。
膝の関節に痛みがある方は、週1回のプールでの水中ウオーキングがいいでしょう。浮力によって関節に負担がかかりにくく、体力が低下している高齢者でも安心して行えます。最近は銭湯内に流水歩行プールが設置されている施設もあるので、自分に合った施設で運動するのがおすすめです。
さらに今年1月に発表された筑波大学と山口県立大学による研究では、運動は1人よりも仲間と一緒に行う方が認知機能の低下予防に有効だと報告されました。その理由については明らかにされていませんが、おそらく1人ではおっくうになりがちな運動も仲間と一緒なら長続きしやすく、また、相手に失礼がないよう気を使って適度に脳疲労が起こり脳が活性化するのではないかと考えられます。
近年は、「デュアルタスク(二重課題)」と呼ばれる①体を動かしながら(運動課題)②何かを考える(認知課題)という“ながら動作”が、運動機能と思考機能をつかさどっている前頭葉を刺激し脳細胞が活性化されると分かっています。仲間と一緒に運動する際は、しりとりや簡単な計算問題を出し合いながら行うといいでしょう。