清水俊彦
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清水俊彦東京女子医大脳神経外科客員教授

東京女子医大脳神経外科客員教授。「汐留シティセンターセントラルクリニック」の頭痛外来には全国から患者が訪れる。

帯状疱疹と脳血管障害の意外な関連性…発症したら脳神経科へ

公開日: 更新日:

 私の患者さんの40代女性の症例を挙げたいと思います。

 この女性はひどい片頭痛持ちで、月に4回ほど、片頭痛治療薬であるトリプタン製剤を服薬していました。そんなある日、左三叉神経第2枝領域に帯状疱疹を発症。患者さんいわく「1週間ほど前から、アロディニアがあり、片頭痛も悪化していました」とのこと。

 すぐに抗ウイルス薬を処方し、服用したことで帯状疱疹は改善したのですが……その約3カ月後に帯状疱疹が発症していた側と同じ左の後頭部に、まるで何かに刺されているような強い神経痛が出て、1週間ほど続いたのです。その後、痛みの性質は変わり鈍痛が持続しているとのことで、すぐに来院してもらい頭部MRI検査を行いました。

 結果、左椎骨動脈に脳血管解離と脳動脈瘤の形成があることを発見。この女性の場合は経過観察で自然修復・治癒となり私も安心しましたが、このように帯状疱疹と脳血管障害との関連をうかがわせる例はこれまでいくつも診てきました。

 これは海外のデータになりますが「顔面に帯状疱疹が出た人は、1年以内に脳卒中を起こす率が高い」という研究結果も出ています。

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