「塩分」は心臓の健康にとってやはりマイナスといえる
冒頭でお話しした最近の研究は、まさに「過ぎたるは及ばざるがごとし」で、心臓を守るためには、やりすぎない程度に減塩を意識する生活を実践するといいでしょう。
専門家の立場としても、個人的には日本高血圧学会が推奨する1日6グラム未満を継続するのは極めて困難と考えます。あまり厳格に考えすぎると挫折してしまうケースが少なくないので、まずは塩分摂取量を急速に増加させないように心がけましょう。たとえば、飲み会で塩分の多いものをたくさん食べた後、小腹がすいたからとラーメンを食べるといった行動を避けるのです。塩分を抑え込みすぎず、なおかつ年齢や抱えている病気の状況を考えて、極端な塩分の取りすぎがよくないということを意識しておけばいいのです。
また、塩分を含む調味料をなるべく避けるのも効果的といえます。たとえば、最近、東大の薬学部が発見した特別な乳酸菌が話題になっています。長野県にある村の古民家で受け継がれていたぬか床から、免疫活性機能が極めて高い新規の乳酸菌を見つけたといいます。その地域では、古くから塩が手に入りにくかったため、それら発酵菌が含まれる麹やもろみなどで食事の味付けをしていたそうです。そして、そうした地域は大腸がんの発生率が低いことから、その乳酸菌が注目されているのです。