石原藤樹
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石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

「卵」は高齢者の肝臓病リスクを減らす? イタリアの研究報告

公開日: 更新日:

 卵は健康に良い食べ物なのでしょうか? 卵には良質のタンパク質やビタミンD、ビタミンB群などのビタミン類が多く含まれています。効率良く多くの栄養素を摂り、体調を整えるには有効な食品と言えます。ただ、1つの問題はコレステロールを多く含むことです。

 卵黄1個には、その大きさにもよりますが、200mgを超えるコレステロールが含まれていて、これは1日の上限量の3分の2くらいになります。つまり、1日に卵を1個食べてしまうと、コレステロールを必要以上に多く摂ってしまう可能性が非常に高くなるのです。そのため、卵を極力摂らないことが、健康的だとされたこともありました。

 しかし、最近の研究では、1日1個の卵は食べすぎで健康に悪いという根拠は乏しく、むしろ栄養バランスの維持に、有効な可能性が高いとする結果が多く報告されています。今年の栄養学の専門誌に掲載されたイタリアの研究によると、60歳以上の年齢では、卵の摂取が週に3個を超えている方が、脂肪肝などの肝臓病になるリスクが低い傾向がある、という結果が報告されています。

 食事量が減りがちの高齢者では、卵を定期的に食事に取り入れることにより、肝臓を守るために必要な栄養素を十分に摂ることが可能となるかもしれません。少なくとも1日1個以内であれば、卵は健康に良い食品であるようです。

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