人前で話すことが苦手な人は「得意なふり」をしてみましょう 何度もするうちに習慣化してくる
「『自分には価値がない』という信念を持つと、ますます『自分には価値がない』というマインドが強化されていきます」と説明するのは、「いい子をやめれば幸せになれる」の著者であり、精神科医の山下悠毅氏。
人間は、無意識レベルで信じている価値観や概念がある。それらを「信念」という言葉に置き換えたとき、「人間の行動は、その信念によって選択される」と山下氏は指摘する。
自分に価値がないという弱気な信念である限り、人は自分の軸で生きることはできない。いつだって他者の顔色をうかがうような生き方となり、生きづらくなるのは想像に難しくない。
「あらゆる信念には、『それを信じるに値する証拠や記憶』があります。例えば、人前で話すことが苦手なのは、苦手と信じるに値する経験があったからです」
そんな「苦手」を「得意」といった信念へ書き換えることができれば、劣等感や生きづらさから解放されるという。
「そのためには、“得意”と信じるに値する既成事実をつくり、自分に信じ込ませてしまえばいい。証拠の捏造と言ってもいいでしょう。例えると、人前が得意な人の言動を予測し、まずは得意なふりをしてみる。〈誰よりも先に挙手をする〉〈背筋を伸ばしゆっくりとした口調で話す〉といった行動を継続していると、“人前が苦手”という信念は必ず変わっていきます。気がつくと人前で話せるようになり、人前で話すのが“得意”と信じられるようになるのです」