「beの幸せ」が不可欠…世間的に価値があるとされる地位や年収のみで幸せは得られない
「自己肯定感はbeの幸せ、自己重要感はhaveの幸せです。この2つは似て非なるものです」
そう話すのは「いい子をやめれば幸せになれる」の著者で、精神科医の山下悠毅氏。「beの幸せ」とは、前回触れたように、自分が“大切にしているものを大切にしていると感じられる”心の状態のこと。世話するペットが健康でいられることなど。
では、自己重要感の「haveの幸せ」とは何か?
「『出世をした』『年収が希望額に達した』──こうした出来事は人に幸せな気持ちをもたらします。しかし、このような『○○が手に入れば幸せ』という信念のみで人が幸福になることは困難です。なぜなら、haveの幸せには、『○○が手に入るまでは幸せではない』といった信念もセットになるからです」
また、仮に手に入れたとしても、次は「○○も手に入れたい」といった高次の願望や、たくさん手にすればするほど「失う不安」も発生する。