タダで食える? 有名回転寿司バイトの賄いで寿司にありつこうと思ったが…
回転寿司編
「林山さん、今度はお寿司屋さんで働いたらどうですか? お寿司をたらふく食べられますよ」──。知人のN女史からこう勧められ、学生時代を思い出した。当時バイトをしていた定食屋は無料の賄いつきで、思う存分食べさせてくれた。すでに65歳。食欲は減退したが、寿司をタダで食べられるのは魅力だ。というわけで有名回転寿司チェーンの面接を受けた。
店の裏口から入ると、狭い控室にエキゾチックな顔立ちの女性が並んでいる。ネパールとベトナムの出身者だそうだ。
控室には「ピッポ、ピッポ」という音が木魚のようにこだましている。この音に合わせて手指を洗うのがルールで、手の表と裏、指の股など10種類の洗い方をすべてやる。面接者の私も店のスタッフから「音に合わせてやってください」と言われ、入念な手洗いをさせられた。
面接官は店長の秋吉氏(仮名)。「わざわざ、お越しいただき、ありがとうございます」と丁寧に挨拶をしたあと「年末年始とGWも働けますか?」といきなり本題に入った。「大丈夫です」と答えたが、「お正月などに家族と旅行する人が多いんです。本当に出勤できますか?」と念押しされた。