立ち食いそば店の60代“深夜ワンオペ”は命がけ…敬遠されるのも無理はない
なんと食べ放題! しかもうれしいことに休憩中も時給が支払われる。つまり丸々8時間分のギャラがもらえるのだ。
そんな好条件なのに、なぜ人が来ないのか。疑問をぶつけると近藤氏は「牛丼屋でのことが影響しているようです」と教えてくれた。
■2022年に起きた悲劇
牛丼屋のこととは名古屋市のすき家で起きた死亡事故だ。2022年1月、深夜ワンオペのバイト女性(58)が勤務中に死亡。死因は心筋梗塞とされた。女性は午前5時半ごろ厨房で倒れ、交代のために出勤してきた従業員に発見されたのは3時間も経過した8時40分だった。ニュースになったから覚えている読者も多いはずだ。
中高年には「何かの発作で倒れたとき、助けてくれる人がいるか」と心配する人が少なくない。かくいう私もこの1年ほど後頭部に鈍痛を感じ、病院で診察を受けたことがある。厨房の奥は客席から見えにくいものだ。昏倒し誰も気づいてくれなかったら、死の危険が高まる。だから深夜ワンオペは敬遠されるのだ。
60代の深夜バイトは命がけ。そんな現実を知らされた面接だった。
(林山翔平)