立ち食いそば店の60代“深夜ワンオペ”は命がけ…敬遠されるのも無理はない
立ち食いそば編
前回は「回転寿司で賄い飯をたらふく食おう」と食い意地を張って面接に臨み、「3割引きですが有料です」と宣言された。それでも私はタダ飯に未練タラタラ。そこで立ち食いそば店に応募してみた。
訪れたのは都内のそばチェーン。店長の近藤氏(仮名)は、40代の温厚な人物で「人手が足りなくて困ってるんです」と話してくれた。
立ち食いそばとはいえ、店には常連客がついていて、午前、午後、深夜とそれぞれの時間帯に「腹減ったぁ」と立ち寄ってくれる。ところが人手が足りず、曜日によって深夜は閉めざるをえない。そのため客は「あそこは深夜営業をやめた」と判断し、夜中に店を開けても客が寄り付かない。
「だから深夜に店を任せられるスタッフが欲しい」というのが近藤氏の本音だ。私を面接したのも夜11時から翌7時までの8時間、店を切り盛りして欲しいからだ。
とはいえ私は飲食業の経験はない。それでもいいのかと聞くと、「まずは昼間働いて仕事を覚え、慣れてきたら深夜を担当してください」。