町には更地が広がり…「復興には時間がかかる。若者はどんどん珠洲から出ていくでしょう」

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 石川県によると、「奥能登」と称される輪島、珠洲、能登、穴水の4市町の人口は、先月1日時点で4156人(約7.5%)減った。前年同期比で約2.5倍の減少数だ。被災地では「ここは働き口もなく、地震も起きる。若者に『残ってくれ』とは言えない」といった声も聞こえてきた。

 珠洲市に通学する高校2年の男子生徒もまた、卒業と同時に地元を出るつもりだという。

「ここは仕事もないし、自分も金沢の大学に行き、そこで就職したい。葛藤? もちろんありますよ……。僕の両親は『家を継ぐなんて考えずに、金沢に行ってもいいんだよ』って言うけど、本心じゃないんだろうなと複雑な気持ちで聞いています。でも、こんな大変なことがあったからこそ、地元で頑張りたいという気持ちが少し生まれたのも本音です。もし地元に残るとしたら、自分は海が好きなので漁師になりたいです」

 若者の流出と高齢化。重い課題を前に、被災地は揺れ動いている。=つづく

(取材・文=橋本悠太/日刊ゲンダイ

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