自民“もう1つの裏金スキーム” 茂木幹事長、棚橋元国家公安委員長「1.3億円」使途不明金の悪辣

公開日: 更新日:

 パーティー裏金事件を巡って、与野党は衆院政治倫理審査会を28、29両日に開くことで合意しているが、自民党が審査会の「非公開」を要求。表で話せないほどヤバい中身だらけということに違いない。そんな中、安倍派がやっていた「キックバック不記載」とは別の“裏金スキーム”が浮かび上がった。こちらも、自民党内で平然と行われている可能性がある。

  ◇  ◇  ◇

 共同通信(25日配信)によると、茂木敏充幹事長の資金管理団体から寄付を受ける政治団体「茂木敏充後援会総連合会」と、棚橋泰文元国家公安委員長の政党支部や資金管理団体から寄付を受領する「棚橋泰文後援会連合会」で2020~22年、使途の詳細が不明な支出がそれぞれ全体の97%超、2団体で計1億3500万円以上あったという。

 政治資金規正法は、国会議員が代表を務める資金管理団体や政党支部について、人件費を除く1件1万円超の支出全てを収支報告書に記載するよう義務付けている。

 ところが、カネの受け皿となった2人の後援会は、使途の記載義務が甘い「その他の政治団体」に当たる。その他の政治団体は、1件5万円以上の支出のみが記載義務の対象だ。そのため、2人の後援会は使途の大半が不記載となっており、政治資金全体の流れがチェックできない状態になっているのだ。要するに、茂木氏と棚橋氏は記載義務が厳格な資金管理団体や政党支部から、記載義務が緩い後援会にカネを移し、支出を“隠蔽”したも同然なのである。

 改めて日刊ゲンダイが調べたところ、茂木氏の後援会の3年分の収入は計9650万円。全て資金管理団体からの寄付だ。使途の98%が記載されていない。棚橋氏の後援会は、資金管理団体と政党支部から3年で計約4300万円を受領。97%が使途不明状態だ。

 茂木氏の後援会については、16~19年にも資金管理団体から約1億3120万円を受け取り、90%超が使途不明になっていることが分かっている。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • トピックスのアクセスランキング

  1. 1

    ふざけるな、石破政権もサラリーマン増税かよ!潰れたはずの「退職金課税」政府税調で再浮上

  2. 2

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  3. 3

    斎藤元彦知事「百条委」の欠席理由「全国知事会」はそんなに重要? 自身の過去出席率は4割弱

  4. 4

    玉木雄一郎氏に「包囲網」…“グラドル不倫”騒動収まらず、自民・立憲・財務省で思惑一致

  5. 5

    裏金自民「企業・団体献金の禁止」そっちのけで「個人献金の税制優遇」だあ?カネ集めのためなら“斬新策”次々

  1. 6

    飛び交う玉木雄一郎代表「12月辞任説」…国民民主党ついに倫理委員会で“グラドル不倫”調査

  2. 7

    自民裏金議員12人が“ドサクサ復権”の仰天! 党役職抜擢の全員が政倫審での弁明は拒否した面々

  3. 8

    物議醸す石破首相の「座ったまま握手」は外務省の大失態! 外交デビューにミソ、元国際情報局長バッサリ

  4. 9

    1ドル=160円台の“悪夢”再来か…植田日銀「利上げは情勢次第」発言でズルズル円安に

  5. 10

    三井住友建設×東急建設 円安が業績を直撃しかねない準大手ゼネコン2社を比較

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議

  2. 2

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  3. 3

    吉川ひなのだけじゃない! カネ、洗脳…芸能界“毒親”伝説

  4. 4

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  5. 5

    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    木村拓哉"失言3連発"で「地上波から消滅」危機…スポンサーがヒヤヒヤする危なっかしい言動

  3. 8

    Rソックス3A上沢直之に巨人が食いつく…本人はメジャー挑戦続行を明言せず

  4. 9

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 10

    立花孝志氏『家から出てこいよ』演説にソックリと指摘…大阪市長時代の橋下徹氏「TM演説」の中身と顛末