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武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

錦織圭を輩出 盛田正明氏が私財投じ財団を立ち上げた深層

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 ウィンブルドンはノバク・ジョコビッチロジャー・フェデラーの4時間57分に及ぶ死闘で幕を閉じた。世界中が注目したこの一戦の優勝賞金は約3億1700万円、賞金総額は昨年から約12%上がって51億円だった。間もなく開幕する全英オープンゴルフの賞金総額の約5倍、テニスにはこの規模の大会だけでも年に4回あるのだ――年を追うごとに肥大するテニスビジネスに、世界の若者たちが夢を描くのは当然のことだろう。

 ウィンブルドンの決勝が始まった頃、1番コートでは男子ジュニア決勝が佳境に入り、16歳の望月慎太郎が雄たけびを上げた。日本選手では1969年の沢松和子以来50年ぶり、男子では初めての優勝だ。

 ジュニアは18歳までが対象で、今回本戦の4回戦に勝ち上がった15歳のコリ・ガウフのように、早くにツアーに専念する選手も少なくない。ジュニアの成績は必ずしも絶対評価にはならないが、それでもプロ予備軍の競争は激しく、プロと変わらぬ練習と遠征の日々を送っている。

 望月は神奈川県出身。13歳の時に盛田正明テニスファンド(MMTF)の支援を受けて渡米、フロリダのIMGアカデミーでトレーニングを続けている。いまや“世界の”と肩書のつく錦織圭と同じ釜の飯を食う直属の後輩である。

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