ロッテ1位・佐々木朗希 あり余る腕の振りの運動量
佐々木朗希(ロッテ1位・大船渡)
大船渡・佐々木朗希を初めて見たのは、2年生の夏。
まだ、そこまで、「朗希、朗希」と言われていない頃だったが、いずれ<目玉>になってしまうのはわかっていた。早く見ておきたかった。
初球の153キロから始まって、立て続けに150キロ台。それも、エイ、ヤー! の力任せじゃない。140キロぐらいの力感からの150キロ台だったから、ちょっと怒らせたら「160キロ」なんてすぐ出してしまいそうで、逆に怖かった。
驚いたのは、数字だけじゃない。フォームがよかった。
左ヒザが胸まで上がっても、上体が後ろに倒れもしないし、前傾もしない。背は1メートル90でも、まだ線の細い体格。それでも右足で真っすぐに立ち、そこから思いきり踏み込んで、きれいなオーバーハンドから豪快に腕を振り下ろした。
「佐々木朗希」を見たのは、その時とこの春の「U18代表候補合宿」の2回だけ。飛び抜けた才能を持った者は、その最大値は一度見れば、はっきりとわかる。