大坂なおみ3回戦敗退 “一人相撲”に走らせた前年覇者の重圧
■「感情を抑制できるのは時間がかかる」
この日の大坂は序盤からミスを連発。第2セット第2ゲームでブレークバックして波に乗るかと思ったが、ミスは止まらない。完全なひとり相撲で自滅した。
「大坂はディフェンディングチャンピオンとしての意識が強かったようです。去年の全米でタイトル防衛に失敗、今回の全豪で前回大会で得た2000ポイントをディフェンドしなければトップ10から落ちるという意識が、体を硬くさせたのでしょう。これまで5回のツアー優勝はグランドスラムと、それに次ぐ格付けの大きな大会がほとんどで、素質と勢いで勝ってきた。十分な経験値があって勝ち上がったわけではない。大会数をこなして、感情のコントロールができるようになるには少し時間がかかるのではないか」(前出の武田氏)
大坂は一昨年の全米に続き、昨年の全豪も勝って世界ランク1位に上り詰めた。現時点では4位だが、昨年の今大会を勝っているだけに大会終了後に2000ポイントを失う。早い段階で負ければ、新たに得られるポイント数は少なく、トップ10から脱落するかもしれないというプレッシャーが、体を硬直させ、ミスを生んだ。大きな大会を勝っているがゆえに、負ければ失うポイントもデカい。その恐怖を克服するだけの経験値が、大坂にはまだ足りないようなのだ。