大相撲初の無観客場所が「土俵」と「財政」に起こす波紋
1日、相撲協会は臨時理事会を開き、8日初日の3月場所(大阪)を無観客で行うと発表した。
完全な無観客は今回が初。期間中に力士から感染者がひとりでも出れば、その時点で場所そのものを中止にする意向もこの日、示された。
それでもテレビ中継は行い、懸賞も1日時点で約1600本集まっているという。協会は「今後は懸賞の取り下げも出てくるはず」と危機感を抱いているが、それでも力士にとってはモチベーションを維持する上でありがたい話だろう。
ただ、応援や歓声があるとなしでは大違い。会見を行った八角理事長(元横綱北勝海)も、「気持ちの高め方が難しい」と話している。
ある親方は「2011年の技量審査場所(5月)を思い出す」と、こう続ける。
「当時は八百長騒動の影響で無料開催。その代わり、懸賞も中継もなかった。いつもと勝手が違うからか、把瑠都(当時大関)が『遊びの場所みたい』と口を滑らせていた。中継と懸賞がないだけでもそうなのだから、お客さんがいない今場所は余計に気が抜けるだろう。気合が入らず、しなくてもいいケガをする可能性もある」